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高森明勅
2018.2.26 22:00

自民党も立憲的改憲?

自民党も「立憲的改憲」に舵を切ろうとしているのか。

毎日新聞』(2月25日付)にこんな記事が。

自民党憲法改正推進本部は、憲法で自衛隊の存在を書き込む場合、
首相が最高指揮権を持つと明記する調整に入った。
シビリアンコントロール(文民統制)を明確にするためで、
自衛隊を国会の統制下に置くことも明示する方向だ。
自衛隊明記の条文案は、現在の憲法の9条とは法的に別条となる
9条の2』を新設して追記する案が有力だ。

首相と自衛隊の関係については、首相を『最高指揮官とする』、
首相が『最高指揮監督権を有する』などと明記する方向だ。

この際、首相について『内閣の首長たる』
などとあえて内閣の代表
であることに触れ、
自衛隊が内閣から独立した『軍』ではなく、
内閣に属する組織であることを明確にする。

国会との関係では、『国会の統制に服する』と記す案や自衛隊が
武力行使する場合などに『
国会の承認を得るものとする』などと
書き込む案を検討している。

また、自衛隊が、9条第2項が禁じている『
陸海空軍その他の戦力』
には該当しないことを明確にするため、『
必要最小限度の実力組織
としての自衛隊』と明記する方針。

憲法上保持できる自衛隊は、自衛のための必要最小限度でなければ
ならない』
との従来の政府解釈を踏まえた表現だ」

ー どこかで見たような表現が散見する。

他でもない、倉持麟太郎弁護士が示した改憲案だ。

倉持案の「9条の2」には以下のような文言がある。

必要最小限度の範囲での個別的自衛権を行使でき…」(1項)

内閣総理大臣は、内閣を代表して自衛隊を指揮監督する。
自衛隊の行動については、法律の定めるところにより、
国会の承認及びその他の民主的統制に服する」(4項)

倉持案との類似性は明らか。

自民党も立憲的改憲の方向性に歩み寄る気配が見える。

恐らく、自民党憲法改正推進本部の中心的なメンバーの中にも、
立憲的改憲にシンパシーを持つ政治家がいるのではないか。

だが今の時点では、最も重要な点で相違がある。

それは「戦力」の扱い。

倉持案では
「前2項(9条1、2項)の規定にもかかわらず」(1項)

必要最小限度の戦力を保持することができる」(3項)と明記。

これによって「個別的自衛権」を十全に行使する事が可能になる。
ところが、自民党案では「戦力不保持」はそのまま。
これでは個別的自衛権への制約は維持されてしまう

それでいて、既に「集団的自衛権」の限定行使に踏み込んでいる。

何度も言うが、本末転倒。

国会での先頃の山尾志桜里衆院議員の「自衛隊明記の加憲」への
一手詰み”質問は、自民党内の良識派へのエールにもなったはずだ。

自民党良識派、頑張れ!

____________________________

「新世代の憲法論

平成30年3月11日(日)午後2時 から
『大阪研修センター 江坂』 にて開催します。

「大阪研修センター 江坂」
(住所:大阪府吹田市江坂町1-13-41 SRビル江坂)は、
JR新大阪駅から地下鉄御堂筋線で4分、または地下鉄梅田駅より9分、
地下鉄御堂筋線『江坂駅』 から徒歩1分です。
「1番出口」から出て、そのまま北へ直進です。


「大阪研修センター 江坂」のHPにて、場所をよくご確認の上、ご来場下さい絵文字:重要
(HP掲載の、駅から会場までの地図を印刷し、持参されることをオススメします )

詳しくは、 “ こちら ” でどうぞ。

311日(日曜)14から「ゴー宣道場」が
再び大阪で
開催される。

「関西ゴー宣道場」の特別ゲストは京都大学の若き法学者・

曽我部そがべまさひろ教授である。

テーマは「新世代の憲法論だ。

 

曽我部教授は1974年生まれで、フランス憲法との比較研究

の中で改憲論を論じている。

今までの護憲・改憲の考え方とは一線を引く新しい考え方を

持っておられるようだ。

フランスの「憲法裁判所」(憲法院)の研究にも詳しく、

表現の自由の専門家でもあるという。

 

曽我部教授は言う。

憲法だけを議論するのは短絡的で、関連する法令も

含めてパッケージとして議論すべきだ。
憲法9条も、この先の日本の安全保障や国際貢献のあり方を

論じ、必要に応じて9条なり関係法令なりを変える、

という議論をすべきだ」

我が「ゴー宣道場」の「立憲的改憲」理念と通じている。

 

もちろん山尾志桜里議員も登壇する。

 

参加申し込みの締め切りは228日(水曜)!

憲法学者を呼ぶ「ゴー宣道場」は毎月開催だからすぐに

迫ってくるぞ。

 

さあ、憲法典の文字一つにゴリゴリにこだわって、一文字

でも変えたい、一文字も変えさせてなるかと血まなこになる

悪習を超えて、憲法学の新しい風にも、「ゴー宣道場」は

アドバイスを受けたい!

曽我部そがべまさひろ教授の話に胸を高鳴らせよう!


当日、道場の入場料は、お一人様1000円です。


参加ご希望の方は、このweb上の申し込みフォームから申し込み可能です
絵文字:重要絵文字:パソコン

上 ↑ のメニュー「道場参加申し込み」もしくは下 ↓ の申し込みフォームバナー(画像)
クリックして、申し込みページにお進み下さい絵文字:よろしくお願いします
入力必須項目にご記入の上、お申し込み下さい絵文字:重要絵文字:メール

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reply@gosen-dojo.com」からのメールを受信できるよう再設定をお願い致します。

「申し込み確認メール」が届かない場合、当選メールも届かない可能性がありますので、
ご注意ください絵文字:重要


申し込み〆切後、当選された方にのみ「当選メール」を送らせて頂きます。

当選された方は、道場当日、
その「当選メール」をプリントアウトの上、会場までご持参下さい。
プリントアウトができない方は、当選メールの受信が確認できるもの
(携帯電話、タブレット等)をお持ちの上、ご来場ください。

 道場参加申し込みフォーム

応募〆切 は 平成30年2/28(水) です。

当選通知の送付は、応募〆切後になりますので、しばらくお待ち下さい絵文字:よろしくお願いします

皆様からの多数のご応募、お待ちしております絵文字:重要絵文字:晴れ

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

次回の開催予定

第119回

第119回 令和6年 11/2 SAT
14:00~17:00

テーマ: ゴー宣DOJO in広島「原爆の悲惨さはなぜ伝わらないのか?」

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